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今回のバナースタンドはお客様から「アルミ製」という指定がありましたので、アルミの丸パイプを使用します。
尚且つ「折りたたみ可能なもの」という事です。
製作台数は7台。この程度の製作台数だと量産と呼ぶには難しいですが、1台2台の製作と比べて材料の無駄が少なくなる事や設計に要する時間が吸収できる台数です。
まず、治具(冶具、jig 当て字だそうです)を製作します。治具とは簡単に言えば型のような物です。罫書きや直角(カネ)出しの手間を省き、量産時に個体差を少なくして製品寸法安定性が望めます。また今回は拘束治具としての役割もあり、治具で拘束する事によって溶接時の歪みを小さくできます。
アルミはA6063という材質で、押し出し材としては最も一般的な材料です。アルミサッシと同じ材質です。
アルミと一口に言ってもカナリの種類があり、私も全ては把握していません。普通に使われている物はほとんどがアルミというよりもアルミ合金となります。
ホームセンターなどで売られているアルミ板はA1050、A1100等の純度の高いアルミで、鉄(一般鋼材)の5分の1~6分の1程度の強度しか持ち合わせていません。
A6063は鉄の3分の1程度の強度です。アルミ合金の中にも鉄と同等以上の強度を持つ物もありますが、金額がかなり高く、パイプ状の物があまり流通していないので私たちの仕事ではあまり使いません。
板材以外で最も入手しやすいのがこのA6063ですが、大きく分けて二種類あります。アルマイトされているか、されていないかの差です。アルマイトとは、アルミの酸化物がアルミよりも硬度がある事を生かしてサビ止め兼硬度アップ等の目的で施される表面処理です。例えばアルミのやかんはゴールドのアルマイトですが、サンダーで削ればシルバーのアルミ地肌が現れます。
アルマイト処理がされていると溶接ができませんので、今回は生地の材料です。これをアルミ用のチップソーを取り付けた切断機で規定寸法にカットします。
丸パイプをT字に継ぎ手する場合は、通常はパイプノッチャーという機械で断面が丸パイプにピタッと合わさるように削るのが普通ですが、丸パイプを滅多に使わない弊社にはパイプノッチャーはありません。パイプにホルソーという刃で穴を開けて、そこへパイプを差し込みます。
一般的にアルミの溶接は難しいと言われています。が、慣れてしまえば極端に難しいというほどではありません。
ただ、鉄やステンレスに比べて性質がかなり異なるので、それに合わせた方法を採らなければならないだけです。
今回拘束治具を製作したのはここにも理由があります。アルミは点付け溶接がかなり困難で(不可能ではない)、鉄のように点付け(仮付け)してから直角出しをする方法は向きません。治具にセットした状態で一気に溶接した方が速くて楽な作業ができます。
続きは後日・・・。
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